Kureha Corporation · TSE:4023
Kureha — FY2024 Earnings Presentation
31 slides from Kureha's earnings presentation, May 12, 2025
Slide 1: 2025年3月期 決算説明会
2025 年 5 月 12 日 株式会社クレハ 2025 年 3 月期 決算説明会 改めましておはようございます。小林です。今日は弊社の説明会にご出席賜りまして心から感謝申 し上げる次第です。私からの説明は 2 点ございます。まず 1 点目については、会社業績について、 そして 2 点目については、資本コスト、そして株価を意識した経営についてです。 まず 1 点目の会社業績です。弊社 2022 年度に業績のピークを達成いたしました。しかし EV 市場 の環境の激変という背景がございまして、2023 年度、2024 年度、2 年続けて減収減益に至ってし まいました。 2024 年度についての状況
Slide 2: ESS需要とFY2025見通し・新グレード開発
一方で蓄電池(ESS)の分野については、北米を中心に風力、太陽光発電、そしてデータセンターで 用いられる蓄電池の需要が一気に立ち上がってくるという認識で、その需要が一定量、私どもの PVDF の事業の立ち上りに貢献する。その後、今のところ 2026 年ぐらいから EV 市場も立ち上が ってくると期待しております。蓄電池から EV 市場の回復につないでいくという見方をしておりま す。 PGA については、シェールガスの分野で、だいぶ市況が回復してきております。さらに加えて先 ほど述べましたシェールオイルの分野の新素材については、すでに 14 社のフィールドテストでご 評価いただいていて、全てポジ
Slide 3: コスト競争力と資本コスト経営
PGA については、すでに昨年低温向けのグレードを導入いたしました。さらに品揃えを高めてい きたいという思いで、今年度、第 2 弾の低温、超低温の分野のグレードを市場に出していく予定で す。特に PGA について今まで開発が進んでおりますというご報告をさせてもらいながら、なかな か実績として立ち上がっていないため、非常に反省しており、今年度は不退転の覚悟で臨んでいき たいと思っているところです。 2 番目についてはコスト競争力をどう高めるかということです。私どもの商材を見た時に、品質面 での優位性は揺らぐことはないのですが、ある意味コストの面でもお客さまからいろんなご要請を いただきます。 そ
Slide 4: 自己株取得・DOE導入・政策保有株式
ます自己株取得については、2025 年度はきちんと 150 億円取得いたしますということは、計画ど おり進めてまいります。 そして、変わったところが 2 点ございまして、1 点目が先ほどもちょっと触れました配当について ですが、2023 年度から配当性向 30%以上、総還元性向 50%以上ということで、掲げたわけです。 そして 2024 年度についても、先ほど触れた配当下限額の導入もやりました。 今回については業績が非常に流動的になったということもありまして、株主の皆さまにこの配当性 向という考え方では、安心して安定的な配当をクレハから得られないという認識をお持ちではない かと私どもは認識して
Slide 5: 2025年3月期の実績
おはようございます。副社長の名武です。本日はご多忙の中、当社の決算説明会にご参加いただき まして誠にありがとうございます。 早速ですが決算説明会の資料に基づきまして、私から追加の説明をさせていただきます。まずお手 元の資料ですけれども、3 ページをご覧ください。 2025 年 3 月期の実績ということで、売上実績 1,620 億円、対前年比 160 億円のマイナス、営業利 益は 94 億円ということで、対前年では 34 億円のマイナスで減収減益の決算になってしまいまし た。11 月の修正予想に対しましても、売上としては 20 億円のプラス、営業利益は 6 億円のマイナ スということで、対前年度
Slide 6: 2026年3月期の予想
続きまして 4 ページです。2026 年の 3 月期の予想です。売上といたしましては 1,650 億円で、対 前期で 30 億円のプラス、営業利益は 140 億円、46 億円のプラスを予想しております。 PVDF は、車載向けにはなかなか厳しい状況が続いておりますけれども、米国の ESS 向けによる 売上増、それから前期は在庫評価損等も計上しておりますので、その辺が今年度は寄与し、増収増 益になると見ております。PGA に関しましても、増収増益と予想しておりますが、詳細は後ほど 説明させていただきます。収益の改善によりまして、ROE の改善をもくろんでいるところです。 5
Slide 7: 利益の増減要因
続きまして 5 ページ目をご覧いただければと思います。ここに 2023 年度、2024 年度の実績、ま た 2025 年度の予想というところで、利益の増減要因が記載されておりますが、ご覧のとおり PVDF 事業それから PGA 事業の落込みが非常に大きいところです。この両事業立て直すというと ころが 2025 年度の最大の課題となります。2025 年度は PVDF 事業で 26 億円の改善、PGA で 16 億円の改善を見込んでいるところです。 6
Slide 8: 中計ローリングプランとの比較
続きまして 6 ページです。中計ローリングプランに対しまして、要因としてはほぼ PVDF、それか ら PGA が未達によるものです。 7
Slide 9: ROE改善に向けた施策
8 ページになります。ROE の改善に向けた施策に取り組んでおります。ROE の分母は、バランス シートの効率化策などを進めてきておりまして、改善傾向にありますが、事業のところの悪化、 ROE の分子の部分が悪化をしておりまして、2024 年度の ROE が 3.6%に低下するということで す。利益の改善、稼ぐ力の改善が最優先課題です。 先ほども話がありましたが、なんとか立て直しを受けてここに集中的に研究資金を投入し、新製品 それから新グレードの開発加速を進めてまいります。その他事業も引き続き事業拡大策を実施して いきます。またコスト削減に対しましても短期的なコスト削減を継続していくことに加え
Slide 10: 企業価値向上に向けて
9 ページ目です。企業価値の向上に向けて ROE の改善、それから資本コストの低減を強く意識を しながら、利益改善に努めているということ、それから環境負荷低減、会社と社員との共生も含め て、企業価値の向上に取り組んでまいります。 9
Slide 11: PVDF事業の状況
続きまして 11 ページで、事業の状況を詳しく伝えたいと思っています。まず PVDF の主力市場で あるリチウムイオンバッテリー市場です。車載用途がメインになりますが、ご承知のとおり欧州そ れから米国中心に、当初の想定とは異なる成長鈍化に見舞われている状況です。中長期的に拡大が 期待されるという見方は変わっておりません。 一方 ESS の用途、蓄電池向けの用途ですが、2024 年度に 2023 年度に対しまして約 50%成長して おります。今後毎年約 20%の拡大が続くと今予測されているところです。 右側に移りまして当社の販売がどうなるのかですが、欧州、米国の回復は、さまざまな市場、顧客 も含
Slide 12: PVDF新グレードと拡販計画
次お願いします。詳細割愛をさせていただきますが、当社の主力、強いところというのは、やはり 欧米市場、それから三元系です。全体市場に逆風が吹いているところもありまして、特定の地域、 それから顧客、電池種類に偏らない、より変化に強い事業体制としていくというところが、最大の 課題と思っております。そのためにも研究開発のリソースを集中的に投下しまして、新グレードで 付加価値の高いグレードを市場投入していくというところで進めておりまして、そこの進捗等が記 載されています。 地域としては欧米から日本、それから中国に拡販をしていくという計画を考えております。さらに 電池では、中国は LFP 向けが非常にシェ
Slide 13: PGA事業の状況
続きまして 13 ページに PGA 事業に関して記載されております。当社が参入できていないパーミ アン地区が一番大きな市場になっております。このパーミアンはオイル中心の市場で、低温、超低 温の地区で、なかなか入れていない。非常に安定した生産活動が続いているのですが、当社の市場 シェアの高いヘインズビル 40%と書いてあるところは、高温の地区、それからガスが中心という ことで、2024 年度におきましてはガス価格が低迷しまして、掘削活動が非常に低迷し、厳しい状 況に直面をいたしました。 2025 年度の見立てといたしましてはガスの在庫の消化も進んでいることから、徐々に回復してく るということ、そ
Slide 14: PGA低温・超低温グレード
2025 年度は先ほど申し上げました最大市場である低温、超低温にどうやって入るかというところ で、開発を長年続けているわけですが、ようやく低温に使えそうなグレードでの開発ができたこと から、昨年の夏に上市をしております。 現在評価を進めており、冒頭社長から話がありましたとおり、これまでの評価結果というのは非常 にポジティブな結果が出ているところです。さらに超低温に向けた開発品を、今年度投入し、低 温、超低温での市場シェアを一気に高めることを必ず実現したいと考えております。 また長年赤字が続いている事業ですので、低温プラグ、それから超低温プラグが本当に市場参入で きない、計画どおりにいかないとい
Slide 15: 農薬事業
続きまして農薬事業です。2024 年度は在庫調整、特に欧州の最大顧客の在庫調整で非常に厳しい 事業となった 1 年でした。2025 年度も回復傾向にありますけれども緩やかになります。一方 2026 年度は在庫調整が終わりまして、通常の販売といいますか、80 億円規模まで売上収益が回復する と見ております。 現在有望な新剤の開発を行っており、開発費のピークが 2024 年度、2025 年度であり、2026 年度 以降からかなり軽くなっていきます。2027 年度には、費用計上が大きく減少する見込みであり、 しっかり開発につなげていくということを考えております。新規農薬である大型殺菌剤の開発商品 は
Slide 16: 家庭用品事業
家庭用品事業は、2025 年度から広告宣伝のやり方を変えまして、各世代に届くメッセージ・手法 に変えていくという方向性です。 これまでは共働きの主婦層、子育て層を、一つのメインターゲットとして置いておりましたが、各 世代に届くメッセージで幅広く販売できるようにしていきます。マーケティングそれから販売デー タのデータ基盤構築、それからデータ分析ツールの活用等によって、マーケティング、営業施策を 強化、実施しながら、販売量と生産量の拡大を目指していきたいと考えております。 15
Slide 17: コスト競争力の強化
コスト競争力の強化に関しては、先ほど申し上げたとおり中長期のグローバルで競争に打ち勝って いくための生産体制の構築を考えております。 中国の化学業界がかなりスペシャリティのほうにも出てきておりますので、今後競争が激しくなっ ていく方向性であると認識しております。品質だけではなく、コストも競争できるように削減をし ていくことで、主力のいわき工場を中心に抜本的な競争力の向上を中長期で考えていきます。 2024 年度に続きまして、引き続きコスト削減に取り組んでいきます。 16
Slide 18: 米国相互関税の影響
外的環境に関するリスクは、トランプ大統領の相互関税が 4 月 5 日に発動されました。米中関係に ついて本日の新聞によりますと、一歩前進があったのかなと思いますが、まだまだ不透明、混沌と した状況が続いているというのが実態かと思います。日米間の交渉もまだこれからということだと 思います。 そのような中、原則基本的な考え方としては、追加関税分の負担は顧客に転嫁をするということで す。そうは言いましても顧客からさまざまな価格交渉の提起もあると思います。競合のサプライチ ェーンの状況も勘案しながら、都度対応していくということになりますが、損益の影響といたしま しては、米国向け売上高は PGA が一番
Slide 19: 新製品・新事業
続きまして 20 ページです。いずれも期待値の高い新製品でありまして、着実な上市に向けて取り 組んでいます。環境エネルギー、ライフ、情報通信を重点事業分野として、新製品、新事業の開拓 を引き続き進めてまいります。 18
Slide 20: 事業ポートフォリオ
22 ページまで飛びまして、事業ポートフォリオ図で各事業の位置付けを整理しております。成長 牽引事業としては PVDF、農薬、家庭用品を選定しております。PGA は構造改革、戦略再構築事 業に記載をされていますが、超低温、低温市場に新規グレードで勝負をし、成長牽引事業に持って いけるのか、構造改革事業となるのかという、2025 年度は本当に見極めの年と考えております。 19
Slide 21: 適正自己資本比率とバランスシート
続きまして、適正自己資本比率の実現、それから資本効率性を重視したバランスシートの実現につ いて説明をしています。 20
Slide 22: 適正自己資本比率50%程度
自己資本に関しては、25 ページまでいっていただきまして、適正な自己資本比率を 50%程度とし ております。考え方それから根拠は記載のとおりであり、財務基盤の健全性を維持しながら適正な 資本構成を追求して、資本コストの低減、企業価値の最大化を目指していきたいと考えています。 21
Slide 23: 政策保有株式の縮減
26 ページです。先ほどお話がありました政策保有株式ですが、従来の連結純資産比の 10%未満と いう基準を、今回連結純資産の 5%程度までの縮減を目指すということで、期間としては 2030 年 までと見ております。その他の資産の売却も適宜進めているところです。 22
Slide 24: 配当政策の変更
27 ページをお願いします。配当政策の変更というところで、利益配分につきましては将来の事業 展開に向けた積極投資に資する内部留保を充実させることに加えて、安定的な配当を実施するとい う従来の方針自体は変更ございません。 一方、配当性向 30%また年間配当の下限額を一株あたり 86.7 円というのを今年度までという方針 は、配当基準として DOE(連結株主資本配当率)を導入すること、それから 2025 年度、2026 年度 の 2 年間において、DOE5%を目安とする方針に変更しました。 DOE の導入により短期的な業績変動の影響を受けずに、配当の安定性を確保するというところを 最大の目的として
Slide 25: 株主還元
次のページは株主還元として DOE5%目安の導入によりまして、2025 年度の配当額は 2024 年度に 対しまして、約 2.5 倍になります。また自己資本が確定できないので、いくらとは言えないです が、5%ということであれば約 2.5 倍になると考えております。予定どおり、2025 年度の自己株式 の取得も 150 億円程度実施しますので、株価改善に向けた株主さまの期待にこたえることができ るのではないかと考えております。 24
Slide 26: 資本政策のまとめ
今申し上げたところ、まとめたところが 29 ページの資本政策のまとめになります。今後とも東証 からの要請である資本コストや株価を意識した経営を実践してまいりたいと思います。 25
Slide 27: 環境負荷低減と企業価値向上
環境負荷の低減、会社と社員の共生のどちらも経営の重要な課題と捉えておりまして、引き続き株 主の皆さまのご期待に沿えるように、企業価値の向上に取り組んでまいりたいと思います。私から の説明は以上です。ありがとうございました。 26
Slide 28: 質疑応答:PVDF
質疑応答 PVDF [Q]:PVDF は ESS 向けに注力されるということで、この部分の採算的には既存の車載向けに比べ てどうなのかコメントいただきたい。ウエート的には 20%っていう数字があったと思うのですけ ど、中期的に見た場合にはどのぐらいまで上げられるポテンシャルがあるか。いわきで増強してい る 8,000 トン 700 億の投資について、スケジュール的には変わりはないか。今回 2025 年 3 月期末 では減損なかったわけですけども、先々見とおしても大丈夫なのかどうか。以上 PVDF に関して お願いします。 [A]:まず ESS 向けの採算ですけれども、LFP 向けということもあ
Slide 29: 質疑応答:PGA
PGA [Q]:14 ページの PGA について。大きく分けると市場環境のところと御社の拡販努力と今年度の 見極めと 3 つあるように思います。それでガス価格、オイル価格についてはどのような方向性で見 てらっしゃるのかということ、拡販努力に関しては、低温なのか超低温なのか、どっちが見極めの ポイントになっているか。また、進捗があるようなコメントもある一方で、今年度で見極めますと いうのは、どの辺が本当の課題になっているのかっていうのがうまく整理できなかったので、その 辺ご説明いただければと思います。 [A]:まず市場環境ですけども、ガスとオイルは別々な値動きをするケースが多いです。当社は現 在
Slide 30: 質疑応答:PGA事業
が非常に大きいということで、大口顧客をこの鉱区でつかむことで、一気に事業基盤の確立まで持 っていこうというのが当社の計画です。 [Q]:トライアルで結果が良好だけど、見極めになるのは、全部生分解ではなくて、ヒール部分は 従来型のものが使われてしまうと、トライアルの結果がよくても市場規模としては大きなものが期 待できないので、見直しの対象になりますっていう理解が正しいですか。 [A]:フィールドトライアルは、どちらかというと小回りが利く中小のオペレーターを中心にやっ ています。今後今年度から大手にその実績を持って安定して使えますよ、ランヒストリーが 500 件以上たまっていますので、その実績をも
Slide 31: 質疑応答:株主還元
がございまして、そういう意味では第 2 弾のスリム化っていうのも検討をする価値があると考えて おります。 [Q]:結論出すのは、今年度中っていうことでよろしいですか。 [A]:今現在投入しております新しい低温、超低温のグレードが市場にどう受け止めてもらえるの かという見極めがいつできるのかということで、非常に時間をかけて見極めするつもりはなく、今 年度中にはその辺の可能性があるのかどうかというのは、見極めいたしますし、先ほど申し上げま した、私どもの工場のスリム化については、待つことなくいろんなスタディは継続して取り組んで います。 株主還元 [Q]:今回の DOE の導入の件ですが、この件に