Slide 1: IFRS17号「保険契約」勉強会(第2回)
ライフネット生命保険株式会社 IFRS17 号「保険契約」勉強会(第 2 回) 2022 年 10 月 14 日 [登壇者] 代表取締役社長 森 亮介 経営企画部 エグゼクティブエキスパート 逆井 幹則
Slide 2: 限定事項
逆井:経営企画部の逆井です。本日は IFRS17 号「保険契約」の勉強会へのご参加、誠にありがとうございます。 それでは、まず 1 ページをご覧ください。前回同様ですが、こちらは限定事項になりますので、ご確認ください。 Copyright© LIFENET INSURANCE COMPANY All rights reserved. 1
Slide 3: 目次
2 ページです。こちらの目次に沿ってご説明します。 今回はまず、前回の資料の主要な部分を項目 5 番目までに再掲して、おさらいという形で見ていったうえで、項目 6 番目以 降で、本日あらためてお伝えしたい内容をご説明いたします。 Copyright© LIFENET INSURANCE COMPANY All rights reserved. 2
Slide 4: 本勉強会の目的
3 ページをご覧ください。 本勉強会の目的は、当社の 2023 年度からの IFRS の任意適用に先立ち、IFRS17 号の重要なポイントについて説明する ものです。本勉強会において、当社における具体的な業績予想等について説明するものではない点は、改めてご理解賜りたく お願い申し上げます。 今回は第 2 回目になり、IFRS17 号の財務分析をテーマに、利益や CSM の増減分析、財務指標等についてご説明いたし ます。 第 3 回目は来年 1 月頃、その時点での IFRS17 号の動向や、特にご関心がある部分の Q&A 等を盛り込みたいと考えて います。スケジュールやテーマについて、今後、ご要
Slide 5: 前回勉強会のキーメッセージ
4 ページをご覧ください。前回の勉強会のキーメッセージです。 1 点目は、IFRS 導入により、当社の期間業績の実態をより適切に反映できることです。 2 点目は、保険契約の将来予想利益である CSM(Contractual Service Margin、契約サービスマージン)は、 IFRS17 号の財務諸表において重要な概念であり、この CSM の増大が将来の利益の成長につながることです。 3 点目として、IFRS17 号の適用後も、資本規制と剰余金の配当は法定会計に準ずることです。 Copyright© LIFENET INSURANCE COMPANY All rights reserve
Slide 6: IFRS17号に基づく貸借対照表のイメージ
5 ページをご覧ください。 左側の図は、IFRS17 号に基づく貸借対照表、BS のイメージで、BS の左側である借方は資産です。金融資産の会計基 準は IFRS9 号となり、現在の日本基準と異なる部分はありますが、一般的に負債サイドと比べると大きな差異は出てこない と考えられます。BS の右側、貸方は負債と資本ですが、そのうち負債の大宗を占めるのが、法定会計の責任準備金に相当 する保険負債になります。 右側のコメントのとおり、保険負債は 3 つの構成部分に分けて計算されます。 まず 1 番上の、将来 CF 現価です。こちらは、将来の保険金や事業費の支出の現価から将来の保険料の収入の現価を控
Slide 7: IFRSの損益計算書の構成
こちらは、IFRS の損益計算書(PL)の構成になります。 左の緑色の表のとおり、IFRS の税引前当期利益は、保険サービス損益と金融損益から構成されています。この中で、保険 サービス損益を構成する保険収益と保険サービス費用、金融損益を構成する投資収益と保険金融費用のうち、主な項目を 右側のオレンジの表で説明しています。 コメント 1 行目のとおり、保険収益は、法定会計基準のように、実際に収入した保険料が収益として計上されるのではなく、 保険負債の三つの構成部分からリリースされ、負債の減少を伴う仕訳によって計上されます。これらはそれぞれ、項目 1 の予 想保険金等、項目 2 のリスク調整リリー
Slide 8: CSMによる収益認識
こちらは、将来利益を表す負債である CSM による収益認識を解説しています。繰り返しとなりますが、CSM は「将来利益を 表す負債」です。左側の図をご覧ください。CSM の計算は新契約時点が出発点となります。まず、商品別・加入期別等の新 契約の一定のグループに対して、経験に基づく最新の最善前提によって、将来の予想 CF を計算します。この中には、保険料 が収入として、保険金や事業費、保険獲得 CF 等が支出として含まれます。 次に、真ん中の図にあるように、将来の予想 CF から、それぞれの項目の現在価値を導きます。保険料収入現価から保険金 等の支出現価、保険獲得 CF を控除し、さらに将来 C
Slide 9: IFRSの分析と指標
それでは 8 ページ、今回お伝えしたいことに移ります。IFRS の分析と指標についてです。 1 点目は、IFRS の PL において、前年度からの利益の増減は主に、保有の成長、実績の変動、前提変更の影響の 3 つが 大きな要因となることです。 2 点目は、利益の成長のため、収益性の高い新契約の獲得が重要であることです。 3 点目として、当社では IFRS 利益と EV は複眼的に見るべき重要な指標だと考えていることです。 Copyright© LIFENET INSURANCE COMPANY All rights reserved. 8
Slide 10: 利益の増減要因
9 ページをご覧ください。利益の増減の 3 つの大きな要因を、図解してお示ししています。 まず、①の保有の成長についてです。IFRS の収益は保有契約の維持によってもたらされるため、利益は保有の成長に伴って 増加していきます。ただし、会社の商品や料率設定が大きく変わり、例えば契約獲得時に損失と評価される契約が増加する ことがあれば、その分利益は減少することに留意が必要です。 次に、②の実際の保険金や事業費の増減、あるいは運用収益の変動によって、利益が変動します。例えば、新型コロナウイ ルスによる給付金の増加のような状況があれば、当然ながらその年度の利益を圧迫することになります。 最後に、③の前
Slide 11: 利益増減の数値例
10 ページをご覧ください。こちらには、9 ページの図をシンプルな数字例をもってお示ししています。 この例は、税引前利益が前年度 50 から当年度 56 に増加、うち、前提変更の影響がプラス 1 のケースです。保有は 10% 程度増加し、前年度からの保険金実績等の変動(ぶれ)はないという前提を想定しています。 保有の成長に応じて、保険金等の予想と実績の差、リスク調整リリース、CSM 償却、そして金融損益が 10%程度ずつ増加 し、これらによって前提変更の影響を除いた利益が 50 から 55 に、10%増加していることを示しています。これに、もし実際の 保険金や投資収益の前年度からの変動があれば
Slide 12: CSMの異動表
11 ページをご覧ください。 CSM の異動表ですが、その前に少し口頭で補足しておきますと、IFRS17 号では財務諸表注記におけるさまざまな開示事 項も定められています。 例えば、保険負債が前年度末から当年度末にかけてどのような要因によって増減したか、保険負債を計算するにあたって適 用された重要な会社の判断、保険契約から生じる各種のリスクに関する情報等です。これらの情報は注記として財務諸表本 体に補足的に提供され、そして財務諸表本体と一体となって投資家等に有用な情報を提供することが意図されています。 その中で CSM は、重要な要素であるため、期首から期末にかけての異動表の注記開示が求められ
Slide 13: CSMの将来収益認識の配分
12 ページをご覧ください。 上の緑の表で例示した情報も注記で開示されます。これは、当期末の CSM が将来どの時点で収益として認識されるかを金 額で開示するもので、この情報から、当期末保有の CSM からの収益実現の時期を推測することができます。 例示は X 年度末 1,000 の CSM 残高に関し、典型的な継続率に基づいた配分パターンを仮定した場合の簡易な例示を お示ししています。これに利息が付利された後の金額が、X 年度末保有からの将来の CSM 償却として収益になります。 この注記情報をもとにして、これに下半分の表、将来予想される新契約の CSM とその配分パターンを追加することで、
Slide 14: 新契約の収益性
13 ページをご覧ください。ここでは、新契約の収益性の重要性をご説明します。 当期の新契約に係る CSM や初期損失の計算も、注記開示事項になります。 下の※印で触れていますが、ここでの不利とは有利不利の不利ではなく、利益にならないという意味で、損失を生じている状 態をいいます。英語では onerous です。注記では、不利でない新契約、つまり利益が生じる新契約と不利な新契約を分け て情報が開示され、それぞれ、新契約時点の保険料現価、保険金等の現価、保険獲得キャッシュフローおよび当初リスク調 整が示されます。 これらの差し引きで、上のコメントに記載のとおり、不利でない新契約から当初 CSM が
Slide 15: EVとIFRS資本の比較
14 ページをご覧ください。ここで、EV と IFRS 資本を比較してみます。 図の左側、EV においては、修正純資産は法定会計の純資産がベースとなり、これには株主からの払込資本や、すでに認識 された法定会計ベースの利益が含まれます。また、保有契約価値には将来認識される潜在的な法定会計の利益が含まれま す。 図の右側、IFRS17 号においては、資本の部は株主からの払込資本に加え、すでに認識された IFRS ベースの利益が含ま れ、CSM にはまだ認識されていない IFRS ベースの将来利益が含まれます。 両者を比較しますと、EV の修正純資産と保有契約価値を足したもの、それは EV そのもの
Slide 16: EVとIFRS利益の位置付け
続いて、15 ページをご覧ください。 当社は現在、EV を最も重要な経営指標と位置付けていますが、これに加え、IFRS の利益も、今後のもう一つの重要な指 標と位置付けていくことを検討してまいります。 両指標の観点は少し異なります。EV は保有契約からの法定会計上の将来利益を含めた経済価値としての潜在価値を評 価する指標である一方、IFRS 利益は保有契約の維持に応じた適切な期間損益を表す指標になります。 当社では現在、顧客体験の革新と販売力の強化を重点領域として経営戦略を遂行し、新契約の増加、継続率の向上、 事業効率の改善を目指しています。これらの経営戦略の遂行がもたらす成果として、EV は
Slide 17: 主要なKPIの例
16 ページをご覧ください。前ページでご説明した EV と IFRS 利益を重要指標と位置付けつつ、これらの増大につながる主要 な KPI の例を、成長性と収益性に分けて整理しています。 まず、成長性については、会社が提供する保険サービスのボリュームを表す保有純増が引き続き重要で、新契約の増加や解 約失効の減少を通じてこれを高めることができます。CSM の増加額は IFRS 利益の成長についての、EV 増加額は EV の成 長についての直接的な KPI となり、いずれも良質な新契約の獲得と会社の良好な経験に基づく前提変更によって増加しま す。 収益性については、会社が提供する商品の収益性を表す
Slide 18: IFRS17号適用に関する今後のスケジュール
最後に 17 ページは、前回もお示しした、IFRS17 号の適用に関する今後のスケジュールです。 本年 5 月の 2021 年度決算発表において、当社は 2023 年度から任意適用を目指すことをアナウンスいたしましたが、今 後、今年度の下半期をめどに、正式な社内決議を予定しています。 そのうえで、2023 年 5 月に IFRS の下での 2023 年度業績予想を開示する予定です。その際に、IFRS の下での 2022 年度の利益の予想額も同時に開示したいと考えています。ただし、それらは推計値であり、会計監査前の数字になることをご 理解ください。 そして、2024 年 5 月の 2023 年度